気密性(C値)を設計の基準に。


気密性(C値)を設計の基準に。

 

― ハウジングアーキテクトが考える「これからの家づくり」の当たり前 ―

「気密性能って、家の“すき間”の話でしょう?」
まだまだ日本の家づくりでは、“なんとなく聞いたことがある”程度の認識しかされていないことが多い「C値(相当隙間面積)」。

ですが、私たちハウジングアーキテクトはこのC値こそが、住まいの性能を大きく左右する最も重要な数値のひとつであると考えています。

これからの家づくりで、本当に快適で長く住み続けられる家を目指すなら、気密性能を“設計の初期段階”からしっかりと基準に組み込むことが不可欠です。

このブログでは、気密性能の基礎知識から、C値を設計にどう活かしていくか、そして私たちがどのように向き合っているのかをご紹介します。


1. C値とは? ― 住宅の「すき間」を数値化した性能指標

C値とは、「相当隙間面積」と呼ばれ、家全体にどれだけ隙間があるかを表す数値です。
単位は【cm²/m²】。
つまり、「1㎡あたり何cm²の隙間があるか」を表しています。

例えばC値が2.0の家であれば、1㎡あたり2cm²、延床面積100㎡の住宅であれば約200cm²の隙間があるということ。これは名刺1枚分以上の“すき間”が家に空いている状態といわれています。

この隙間が多ければ、外気が出入りしてしまい、どれだけ断熱材を使ってもその効果が発揮されません。つまり、エアコンの効きが悪くなり、電気代がかさみ、結露やカビ、騒音問題も発生しやすくなるのです。


2. 断熱だけでは足りない理由 ―「気密」とのセットが鍵

断熱材の性能(UA値など)ばかりが注目されがちな日本の住宅業界ですが、実は断熱と同等かそれ以上に重要なのが**気密性能(C値)**です。

たとえ最高ランクの断熱材を使用しても、すき間だらけの住宅では暖かい空気も冷たい空気も逃げていってしまいます。

私たちハウジングアーキテクトでは、**「断熱性能 × 気密性能 = 本当の省エネ住宅」**という考え方を採用しています。


3. 気密性を設計段階で考えるべき理由

多くの住宅では、設計段階では断熱材の厚さや構造に関する話はされても、「気密性をどう設計に落とし込むか」は後回しにされがちです。

しかし、気密性能は現場任せにすべきではありません

設計段階から以下のような点を配慮することで、高気密住宅の実現が初めて可能になります:

  • 構造躯体と気密ラインの整合性

  • サッシや開口部の配置と性能

  • 設備配管まわりの納まりと気密処理

  • 中間階の断熱と気流止めの設計

こうした細部の検討を、図面段階でどれだけ詰められるかが、C値の成否を左右します。


4. ハウジングアーキテクトが目指すC値は「0.5以下」

私たちは、C値0.5㎠/㎡以下を全棟で実現することを標準仕様としています

これは、日本の一般住宅で基準とされるC値2.0以下に対して、4倍以上の気密性能を誇る数値です。
実際に、当社で建築した住宅の実測平均C値は「0.55前後」。中には「0.3台」という数値も記録しています。

このような気密性能があることで:

  • 冷暖房の効率が上がり、光熱費が年間数万円単位で削減

  • 結露が起きにくく、建材や構造体が長持ち

  • 換気システムが正常に作動し、常に新鮮な空気を保つ

  • 室温差が少なく、ヒートショックリスクが激減

  • 外部の騒音が入りにくく、静かで快適な住空間に

こうした恩恵を、“住んでから”実感するお客様が多数いらっしゃいます


5. 現場任せにしない。設計から施工、検査まで一貫管理

私たちは、単に設計図に気密仕様を記載するだけではなく、現場との連携と施工技術にも徹底的にこだわります

  • 中間気密測定(施工中)
    → 隙間が施工の段階でどれだけ抑えられているかをチェックし、必要があれば是正

  • 完成気密測定(引き渡し前)
    → 実際に暮らす状態での気密性能を数値で「見える化」し、性能を証明

  • 全棟、気密測定データを記録・報告
    → 透明性と安心を提供。性能を口先だけにしない。

これが、私たちの掲げる**「性能保証型の家づくり」**です。


6. C値を基準にする設計は、住む人の“未来”を考える設計

「設計の基準をC値にする」というのは、ただのテクニカルな話ではありません。

それはつまり、将来の健康・家計・快適性・資産価値すべてに対して責任をもつ設計だということ。

10年、20年、30年…住まいはそこに住む人の人生を守る器であるべきです。

エネルギー価格が高騰しても、環境負荷が問題になっても、暮らしの質を落とさずに維持できる住宅。それをつくるには、「C値を基準にする」視点が欠かせません。


7. まとめ ― すべての家に、C値という“ものさし”を。

これまで、日本の住宅では“なんとなく性能”で建てられてきた家も少なくありません。
しかし、これからの時代は違います。

「見た目」や「設備」だけでは語れない、本当の住宅性能を数値で語れる時代。
そして私たちハウジングアーキテクトは、その中でも特に“気密性”という目に見えない性能にこだわることで、よりよい未来をつくっていきたいと考えています。

住まいの快適さと、家族の健康と、光熱費と、住宅の資産価値。
すべてを左右するこの“C値”というものさしを、ぜひあなたの家づくりの中にも取り入れてください。


✉️ 気密性能についてもっと知りたい方へ

C値や高気密住宅について、もっと詳しく知りたい方、我が家の設計でどのように活かせるのか相談したい方は、公式LINEからお気軽にご相談ください!

▶️ ハウジングアーキテクト公式LINE